山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

哲学者=文芸評論家=山崎行太郎(yamazakikoutarou)の公式ブログです。山崎行太郎 ●哲学者、文藝評論家。●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。●東工大、埼玉大学教員を経て現職。●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。●著書『 小林秀雄とベルグソン』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』・・・●(緊急連絡) 070-9033-1268。 yama31517@yahoo.co.jp

2021-05-29から1日間の記事一覧

■(続)藤田東湖と西郷南洲(4)(本稿は『維新と興亜 』のための草稿です。) 「桜田門外の変」と藤田東湖は、直接の関係はない。しかし、まったく無縁というわけでもない。桜田門外の変の首謀者だった高橋多一郎は、藤田東湖の「教え子 」であり、もっとも優秀な「弟子」であり、おそらく「思想的後継者」の一人だった。その高橋多一郎が、金子孫二郎とともに、水戸藩改革派の中から選抜した若手水戸藩士たちを組織して、薩摩藩の一部と連携の上で、綿密な作戦を練りあげ、実行したのが、後に「桜田門外の変」と言われることになる「井伊

■(続)藤田東湖と西郷南洲(4)(本稿は『維新と興亜 』のための草稿です。)「桜田門外の変」と藤田東湖は、直接の関係はない。しかし、まったく無縁というわけでもない。桜田門外の変の首謀者だった高橋多一郎は、藤田東湖の「教え子 」であり、もっとも優秀な…

■藤田東湖と西郷南洲(4)(本稿は『維新と興亜 』第7号のための草稿です。) 水戸学派というと、「尊皇攘夷論」というのが常識であり、学問的固定観念である。もちろん、それは間違いではない。だがそれは、水戸光圀(水戸黄門)を筆頭に、藤田東湖等にいたるまでの水戸学派の政治家や思想家たちが、具体的にどう考え、どう行動していたかということとは別である。私は、水戸学派には、「尊皇攘夷論」という思想とは別の独特の思想的エネルギーが生きていたと思う。その思想的エネルギーが、幕末に、全国的に拡散し、多くの志士たちの思想と

■藤田東湖と西郷南洲(4)(本稿は『維新と興亜 』第7号のための草稿です。)水戸学派というと、「尊皇攘夷論」というのが常識であり、学問的固定観念である。もちろん、それは間違いではない。だがそれは、水戸光圀(水戸黄門)を筆頭に、藤田東湖等にいたるまで…

■藤田東湖と西郷南洲(4)(本稿は『維新と興亜 』第7号のための草稿です。) 水戸学派というと、「尊皇攘夷論」というのが常識であり、学問的固定観念である。もちろん、それは間違いではない。だがそれは、水戸光圀(水戸黄門)を筆頭に、藤田東湖等にいたるまでの水戸学派の政治家や思想家たちが、具体的にどう考え、どう行動していたかということとは別である。私は、水戸学派には、「尊皇攘夷論」という思想とは別の独特の思想的エネルギーが生きていたと思う。その思想的エネルギーが、幕末に、全国的に拡散し、多くの志士たちの思想と

■藤田東湖と西郷南洲(4)(本稿は『維新と興亜 』第7号のための草稿です。)水戸学派というと、「尊皇攘夷論」というのが常識であり、学問的固定観念である。もちろん、それは間違いではない。だがそれは、水戸光圀(水戸黄門)を筆頭に、藤田東湖等にいたるまで…