山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

哲学者=文芸評論家=山崎行太郎(yamazakikoutarou)の公式ブログです。山崎行太郎 ●哲学者、文藝評論家。●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。●東工大、埼玉大学教員を経て現職。●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。●著書『 小林秀雄とベルグソン』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』・・・●(緊急連絡) 070-9033-1268。 yama31517@yahoo.co.jp

「軍事クーデター」は、無条件に「悪」なのか。「民主主義」や「民主化」は無条件に「善」なのか。日本人が大好きな「明治維新」も軍事クーデターだったのではないのか。「軍事クーデター」という手段を取らざるを得ない国家や国民大衆もいるのではないのか。

「軍事クーデター」は、無条件に「悪」なのか。「民主主義」や「民主化」は無条件に「善」なのか。日本人が大好きな「明治維新」も軍事クーデターだったのではないのか。「軍事クーデター」という手段を取らざるを得ない国家や国民大衆もいるのではないのか。

国際世論における単純なアウン・サン・スー・チー国家顧問・擁護論、礼賛論に、私は、若干の違和感を感じる。「軍事クーデター」は、無条件に「悪」なのか。それは、ギリシャ哲学やキリスト教を泉源とする「民主主義」や「民主化」を金科玉条とする欧米的価値観の押し売りではないのか。仏教やイスラム教の教えに基づく、もう一つ別の政治統治のスタイルがあってもいいのではないのか。私は、パキスタンの「マララ・・・」とかいう少女がノーベル賞を受賞した話を思い出した。私は、欧米マスコミに向けて大口をたたく口達者なマララ女史が嫌いである。「ノーベル賞」に一喜一憂している日本国民を、哀れに思う。ノーベル賞は、欧米的価値観による世界支配の道具ではないのか。マララが、パキスタン国民・大衆・民衆から浮き上がり、英国で暮らさざるを得なくなったのは、当然であろう。マララ女史は、英国や欧米的価値観に阿ることによって、「名誉白人(英国人)」の地位を得たのである。同じように、アウン・サン・スー・チー女史の高慢な態度が、私には、欧米的価値観に阿る「名誉英国人」に見えて仕方がない。勘繰り過ぎかもしれないが欧米的価値観に阿る竹中平蔵や竹中一派の「心性」に通じるものがあるように思う。要する、それは、単純化して言えば、「植民地主義」「ポスト植民地主義」にほかならない。不謹慎かもしれないが、私には、「ロヒンギャ難民」たちの反応が面白い。何故、ロヒンギャ難民は、アウン・サン・スー・チー国家顧問逮捕・拘禁を大歓迎するのか。興味深い問題である。

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【2月2日 AFP】3年前の激しい軍事弾圧で隣国バングラデシュへ逃れたミャンマーイスラム少数民族ロヒンギャ(Rohingya)は1日、アウン・サン・スー・チーAung San Suu Kyi)国家顧問が国軍に拘束されたことを喜んだ。

 国連(UN)がジェノサイド(大量虐殺)の可能性を指摘している2017年8月の軍事弾圧の後、約74万人のロヒンギャミャンマーのラカイン(Rakhine)州からバングラデシュへ向かった。

 当時、ミャンマーの事実上の政権トップだったスー・チー氏は、2019年に行われたロヒンギャに対する強姦や殺人などの残虐行為に関する国際刑事裁判所ICC)の公聴会で、国軍を擁護した。

 スーチー氏拘束の知らせは、現在約100万人のロヒンギャが密集して暮らすバングラデシュの難民キャンプで瞬く間に広まった。

「私たちのすべての苦しみの原因は彼女だ。祝わない理由がない」。世界最大規模の難民キャンプ「クトゥパロン(Kutupalong)」の難民リーダー、ファリド・ウラー(Farid Ullah)さんはAFPに語った。

 近隣のバルカリ(Balukhali)難民キャンプのリーダー、モハマド・ユスフ(Mohammad Yusuf)さんは、「彼女が最後の希望だったのに、私たちの窮状を無視し、ロヒンギャに対するジェノサイドを支持した」と語った。

 ナヤパラ(Nayapara)難民キャンプに暮らすミルザ・ガリブ(Mirza Ghalib)さんは、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のスー・チー氏に「正義の裁き」が下されたと歓迎し、特別な祈りをささげたロヒンギャもいたとAFPに語った。「難民キャンプ当局の許可が出ていたら、何千人ものロヒンギャが(スー・チー氏の拘束を)祝って行進をする姿がみられたはずだ」

 強い影響力を持つ「ロヒンギャ学生連盟(Rohingya Student Union)」の広報を担当するマウン・チョー・ミン(Maung Kyaw Min)氏は、スー・チー氏の拘束を受けて、ロヒンギャミャンマー帰還への期待が高まっていると述べた。

「選挙で選ばれた政府とは異なり、この国軍(の政権)を持続するためには国際的な支援が必要だ。だから、彼らが国際的な圧力を軽減するために、ロヒンギャ問題を重視することを期待している」と語った。(c)AFP

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【解説】ミャンマーで全権掌握、ミン・アウン・フライン国軍総司令官とは? https://www.afpbb.com/articles/-/3329622 @afpbbcomから