山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

哲学者=文芸評論家=山崎行太郎(yamazakikoutarou)の公式ブログです。山崎行太郎 ●哲学者、文藝評論家。●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。●東工大、埼玉大学教員を経て現職。●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。●著書『 小林秀雄とベルグソン』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』・・・●(緊急連絡) 070-9033-1268。 yama31517@yahoo.co.jp

スー・チー擁護派のミャンマーの人たち3000人が日本の外務省前でデモ。私は、この種の安全地帯からの抗議デモに、いつも違和感を持つ。


スー・チー擁護派のミャンマーの人たち3000人が日本の外務省前でデモ。私は、この種の安全地帯からの抗議デモに、いつも違和感を持つ。

彼等は、日本在住のミヤンマーの人たちである。彼等が、何かをやりたいという気持ちは分かるが、私は、「いい気なものだなー」と思う。日本在住ということは、どちらかと言うと、ミヤンマーの中でも恵まれた人たちだろう。霞ヶ関の日本の外務省前でデモをしようと、そこで「軍事クーデター」への抗議声明を読みあげようと、私は、共感しない。どう見ても、「命懸けではない」。所詮は「言い訳」に過ぎない。祖国のために何かをやった、という自己満足に過ぎない。本当に軍事クーデターに抗議するなら、祖国に帰国し、身体を張って抗議しろよ、と思う。彼等は、いずれ「軍事政権」と妥協し、「軍事政権」に迎合し、「軍事政権」を擁護する人たちだろう、と私は推察する。この抗議デモ参加者の中の何人の人たちが、アウン・サン・スー・チーを最後まで支持するだろうか。
日本に、軍事クーデターによって軍事政権が成立したとする。その時、欧米先進国在住の日本人たちが、抗議のデモや抗議声明を出すだろう。しかし、その中の何人が、本気だろうか、と私は、考える。同じことだろう。安全地帯でのデモも抗議も、私には、いい気なものだ、という感想しかない。
ミヤンマー抗議デモの写真を見ると、ずいぶん若い女性たちが多いことに気付く。技能実習生か何かで、日本に労働者として来ているのだろうか。あるいは、政府派遣の留学生もいるかもしれない。
「ここがロドスだ、ここで踊れ」という言葉がある。彼等にとって、日本の外務省前は「ロドス」ではない。私は、ミヤンマーの外務省前でのデモのニュースを見ながら、私自身のことを考えていた。

https://jp.sputniknews.com/incidents/202102038125642/