山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

哲学者=文芸評論家=山崎行太郎(yamazakikoutarou)の公式ブログです。山崎行太郎 ●哲学者、文藝評論家。●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。●東工大、埼玉大学教員を経て現職。●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。●著書『 小林秀雄とベルグソン』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』・・・●(緊急連絡) 070-9033-1268。 yama31517@yahoo.co.jp

■「沖縄集団自決論争」始末記《 3 》…大江健三郎の『 沖縄ノート』を読みながら…。 曽野綾子の『 ある神話の背景』が文藝春秋社の『 諸君!』に連載されたのに対して、大江健三郎の『 沖縄ノート』は、岩波書店発行の総合雑誌『 世界』に連載されたのではなかったろうか。つまり、大江健三郎と曽野綾子の「差異」と「対立」は、岩波書店と文藝春秋の「差異」と「対立」でもあった と言ってもいいだろう。それが、左翼論壇と右翼論壇を巻き込み、論争から裁判にまで発展拡大した理由でもあっただろうと思われる。当時、隆盛をきわめて

■「沖縄集団自決論争」始末記《 3 》…大江健三郎の『 沖縄ノート』を読みながら…。

曽野綾子の『 ある神話の背景』が文藝春秋社の『 諸君!』に連載されたのに対して、大江健三郎の『 沖縄ノート』は、岩波書店発行の総合雑誌『 世界』に連載されたのではなかったろうか。つまり、大江健三郎曽野綾子の「差異」と「対立」は、岩波書店文藝春秋の「差異」と「対立」でもあった と言ってもいいだろう。それが、左翼論壇と右翼論壇を巻き込み、論争から裁判にまで発展拡大した理由でもあっただろうと思われる。当時、隆盛をきわめていた左翼論壇と左翼ジャーナリズムに対抗し、それらを打倒するべく創刊されたのが文藝春秋の『 諸君!』であり 、その目的にそった企画の一つが、曽野綾子の連載『 ある神話の背景』でもあったのかもしれない。