山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

哲学者=文芸評論家=山崎行太郎(yamazakikoutarou)の公式ブログです。山崎行太郎 ●哲学者、文藝評論家。●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。●東工大、埼玉大学教員を経て現職。●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。●著書『 小林秀雄とベルグソン』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』・・・●(緊急連絡) 070-9033-1268。 yama31517@yahoo.co.jp

⬛️『王道アジア主義』の哲学的基礎《2》〜石原莞爾論〜 《国柱会》とは、田中智学が、日蓮宗を土台に、新しく起こした宗教団体で、その主要思想は、《国柱会》という文字が示すように、《国の柱になれ!》という思想だ。宗教というのは、一般的に《個人主義》というか、《個人の救済》が中心だが、国柱会は 個人の救済より前に、《国》つまり《国家》を優先し 、《国家の救済》があってこそ、《個人の救済》も可能だという宗教思想だ。たとえば、宮澤賢治は、《全ての人が幸せにならない限り、私の幸せはない。》という趣旨のことを言ってい

⬛️『王道アジア主義』の哲学的基礎《2》〜石原莞爾論〜

国柱会》とは、田中智学が、日蓮宗を土台に、新しく起こした宗教団体で、その主要思想は、《国柱会》という文字が示すように、《国の柱になれ!》という思想だ。宗教というのは、一般的に《個人主義》というか、《個人の救済》が中心だが、国柱会は 個人の救済より前に、《国》つまり《国家》を優先し 、《国家の救済》があってこそ、《個人の救済》も可能だという宗教思想だ。たとえば、宮澤賢治は、《全ての人が幸せにならない限り、私の幸せはない。》という趣旨のことを言っている。誤解を恐れずにいえば、個人主義から国家主義への思想的転換をはかったヘーゲルの国家論に近いと言っていいかもしれない 。要するに、《個体》より《全体》を重視、優先する思想だ。それ故に、国家論や政治問題に強烈な関心を持つ。全体や国家の問題は、《政治》と密接に結びついているからだ。