山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

●哲学者=山崎行太郎の公式ブログです。 ●山崎行太郎 (やまざき、こうたろう) ●作家、哲学者、文藝評論家。 ●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。 ●東工大、埼玉大学、日大芸術学部教員を経て現職。 ●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。 ●著書『 小林秀雄とベルグソン』『マルクスとエンゲルス』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』 ● yama31517@yahoo.co.jp

●江藤淳と夏目漱石とウンベルト・エー

江藤淳夏目漱石ウンベルト・エーコ

江藤淳は、『 薔薇の名前』で一世を風靡したイタリアの記号論学者で作家のウンベルト・エーコと対談している。その対談もなかなか面白いのだが、江藤淳は、その対談直後、早稲田大学文学部で、『 文芸随想』と題して講演をおこない、ウンベルト・エーコの話をしているが、それはもっと面白い。そこで、江藤淳は、夏目漱石ウンベルト・エーコを比較しながら、文学にとって、きわめて本質的で重要ななことを語っている。夏目漱石に、学生時代に書いたという『老子の哲学』という小論文あるらしいが、そこで漱石は、ウンベルト・エーコ記号論の対極にあるような《存在》というか《実在》というか、言語以前、記号以前の世界について書いているらしい。《〜らしい》というは、実は、私も、漱石の『 老子の哲学』という小論文を、まだ読んだことがないからである。さて、漱石の代表作で、且つデビューf作の『 吾輩は猫である』の冒頭の文章は、《吾輩は猫である。名前はまだない。》というものだが、江藤淳はこの冒頭の一文にこだわる。