学歴詐称問題という難癖をつけられ、各方面からさかんに選挙妨害を仕掛けられたにもかかわたず、都知事選に《圧勝》した小池百合子は、偉い。《偉い》というより《すごい》。現在、71歳だとか。あの頑強な意志と執念、そして、決して表に出さない静かな、秘めた闘志には頭が下がる。それにしても 、世の中は、嫉妬と恨みつらみでうずまいているものらしい。ニーチェは、ルサンチマンと呼び、それを批判したが・・・。小池百合子さんも、別にカイロ大学卒業を名乗ったから、大臣や都知事まで《出世》したわけではなかろうに・・・。小池百合子の学歴にケチをつけている人たちを見てみると、立派な学歴を身にまとっているにもかかわらず、鳴かず飛ばずの人生をおくり、そろそろ人生に幕をおろそうかという人たちばかりなのに、呆れる。東大法学部を出て 環境庁や朝日新聞などで、いわゆる《エリート人生》を送ってみたが 、振り返ってみると 、エリートでもなんでもない。ただの平凡な一介のサラリーマン・オヤジと変わりはないことにきずく。いやそれ以下。しかし、そこに、目の前に、大臣だけではなく都知事三期目に突入するという《小池百合子》が登場する。心が騒ぐ。小池百合子ごときに負けてたまるか、と思うのだろうが、もう遅い、定年退職後の隠居老人には、いかんともしがたい。腰も足も頭もフラフラ。いまさら、どうしようもい。ああ、俺の人生はなんだったのか。刑事告発でもするしか能はない(笑)。しかし、誰からも相手にされそうもない。それも当然であろう。そもそも、小池百合子は、お前たちとは、《志》が違うだろう。『 故郷』という童謡に、《志を果たして、いつの日にかかえらん〜》という歌詞がある。少女時代の小池百合子も、おそらく《志を果たしてーーー》と、『 芦屋のお嬢さん』と言われたころから、夢見る少女だったのだろう。だがこの少女は、あどけない顔をして、単なる《夢見る少女》ではなかった。関西学院大学を1年で中退し、エジプトに渡り、カイロ大学に入学する。アメリカ留学だ、フランス留学だと浮かれている時代に、だれにそんなことが出来るか。19歳の時の小池百合子。振袖でピラミッドに登る、という本を書いて出版。誰がそんなことを考えるか。小池百合子には《将来》が見えていたのだ。《見える人には見えるだろう。》と小林秀雄は言った。《友を選ばば才たけてぇー》 。小池百合子は《友》を選んだのだ。《あなたとは、コレッキリよ。》と。《友》を、権力やマスコミに売るような見苦しい《悪友》は、すぐに切り捨てる。
そこから、小池百合子の波乱万丈の出世物語がはじまるのだ。切り捨てられ、見捨てられたクズ老人や糞ババアどもは、老人ホームの白黒テレビでも、黙って見ていろ。私が、ひそかに尊敬するイスラム学者の《中田考〈なかた・こう〉》は、《小池百合子はアジア主義者だ》と言っている。しかも、《もっとも成功したアジア主義者だ》と言う。アジア主義とは何か。戦前の日本には、欧米先進国にばかりが持て囃される日本近代で、中国大陸、インド大陸、中東・・・などに目を向け
、《大東亜帝国》を夢見て、大陸に雄飛・暗躍した、いわゆる《大陸浪人》たちがいた。欧米帝国主演の餌食となり、植民地として食い荒らされていたアジア。 そのアジアを大東亜共栄圏として一つにまとめ 、欧米帝国主義の植民地支配から解放せよ。アジアよ、独立せよ。それがアジア主義、大アジア主義だ。頭山満、宮崎滔天、岡倉天心、石原莞爾、大川周明・・・、そして小池百合子。