山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

哲学者=文芸評論家=山崎行太郎(yamazakikoutarou)の公式ブログです。山崎行太郎 ●哲学者、文藝評論家。●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。●東工大、埼玉大学教員を経て現職。●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。●著書『 小林秀雄とベルグソン』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』・・・●(緊急連絡) 070-9033-1268。 yama31517@yahoo.co.jp

2024-01-13から1日間の記事一覧

■薩摩半島の山奥のポツンと一軒家・『毒蛇山荘』で『 江藤淳 』を読む(2)。 山川方夫が交通事故で死んだのは、江藤淳がアメリカ留学から帰国直後であった。住む家の問題から妻の病気、入院など、身辺は多忙をきわめていた。『アメリカと私』の連載を終え、次の連載、『 文学史に関するノート』を開始した前後であった。もちろん、山川方夫が交通事故で危篤状態にあることを聞いた江藤淳は、文字通り、取るものもとりあえずに 、入院先の病院へ向かう。 《 二月十九日の午後、事故の知らせを受けたとき、私は当時まだ西銀座の旧Aワ

■薩摩半島の山奥のポツンと一軒家・『毒蛇山荘』で『 江藤淳 』を読む(2)。山川方夫が交通事故で死んだのは、江藤淳がアメリカ留学から帰国直後であった。住む家の問題から妻の病気、入院など、身辺は多忙をきわめていた。『アメリカと私』の連載を終え、次…

■薩摩半島の山奥のポツンと一軒家・『毒蛇山荘』で江藤淳を読む(1) 江藤淳は、幼年時代の《 母親の死》や晩年の《 妻の死 》だけではなく 、アメリカ留学直後の山川方夫という《 親友の死 》にも、執拗にこだわって、多くの文章を書き残している。これの親しい人々の《死》が 、江藤淳という文芸評論家の批評的核心部を形成していることは間違いない。《母親の死 》や《 妻の死 》に執拗にこだわり、その深い哀しみを、文学や批評や思想の領域にまで高め、作品化していった江藤淳の文学的試みを、単に《 女々しい 》とか《

■薩摩半島の山奥のポツンと一軒家・『毒蛇山荘』で江藤淳を読む(1)江藤淳は、幼年時代の《 母親の死》や晩年の《 妻の死 》だけではなく 、アメリカ留学直後の山川方夫という《 親友の死 》にも、執拗にこだわって、多くの文章を書き残している。これの親し…