山崎行太郎公式ブログ『 毒蛇山荘日記』

●哲学者=山崎行太郎の公式ブログです。 ●山崎行太郎 (やまざき、こうたろう) ●作家、哲学者、文藝評論家。 ●慶應義塾大学哲学科卒、同大学院修了。 ●東工大、埼玉大学、日大芸術学部教員を経て現職。 ●「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認めらlれ、文壇や論壇へ進出。 ●著書『 小林秀雄とベルグソン』『マルクスとエンゲルス』『 小説三島由紀夫事件』『 保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』 ● yama31517@yahoo.co.jp

■薩摩半島の山奥の『毒蛇山荘』で石原莞爾の『世界最終戦争論』を読む⑵。 私が、『世界最終戦争論』で、もっとも面白いと思い、思わず引きずり込まれたのは、日蓮や日蓮宗の問題であった。だから、私は、以後、石原莞爾について語る奴が、《 戦争》や《戦略 》のことしか語らず、《 日蓮宗 》を中心に《 宗教 》の話題をスルーしている人を見ると、《 コイツはチャント、『世界最終戦争論』を読んでないな》と思うことにしている。さすがに福田和也は、そこも読んでいるらしいが、しかし私から言わせると、まだ不十分である。通り

薩摩半島の山奥の『毒蛇山荘』で石原莞爾の『世界最終戦争論』を読む⑵。

私が、『世界最終戦争論』で、もっとも面白いと思い、思わず引きずり込まれたのは、日蓮日蓮宗の問題であった。だから、私は、以後、石原莞爾について語る奴が、《 戦争》や《戦略 》のことしか語らず、《 日蓮宗 》を中心に《 宗教 》の話題をスルーしている人を見ると、《 コイツはチャント、『世界最終戦争論』を読んでないな》と思うことにしている。さすがに福田和也は、そこも読んでいるらしいが、しかし私から言わせると、まだ不十分である。通りいっぺんの分析と解釈しかしていない。福田和也石原莞爾伝『 地ひらく』は、昭和史の解説としては、詳しく面白いのかもしれないが、石原莞爾伝としては、浅薄で、深みに欠ける。要するに、石原莞爾に関する思想的な読みが足りない。石原莞爾は《 天才的軍人 》であったとか、優秀な《 戦略家》であったとか言うこととは誰にでもできるが、何故、《 天才的軍人 》であり、優秀な《 戦略家》であったいのかの根拠や思想的背景を明確に分析し、解明できる人はいない。それは、私に言わせれば、誰も、石原莞爾の主著『世界最終戦争論』を深く読み込んでいないからである。